長女が助手席から後部座席へ
長女を保育園に連れて行くとき、助手席に乗せていた。
チャイルドシートのお尻の部分だけ使って。
身長が伸びて以来。
それで良いと思っていたが、妻が
「それはダメらしい。」
と言い出した。
エアバッグが作動すると、首が折れるのだそうだ。
なにそれこわい。
エアバッグ危険じゃね?
という訳で、長女を後部座席に座らせなければならない。
私は心が痛んだ。
今まで助手席に座っていたのに、後部座席に戻される。
長女は悲しむのではないか。
私も子どもの頃、ずっと助手席に座りたかったが、母の特等席だったので、座らせてもらえなかった。
長女が後部座席に座るのは、私も寂しい。
車に乗っている間、長女に
「あの看板何て書いてある?」
と聞いたり、iPhoneで直接音楽を流して一緒に『花束を君に』を歌ったりした。
それがもうできなくなる。
後部座席でもできないことはないが、カラダの距離はココロの距離だ。
長女に、今日から後部座席に座らなければならないことを伝えた。
「どうしてー?」
「あぶないから。」
長女は、思いの外抵抗しなかった。
運転中、心なしか会話も少ない気がした。
しばらくして、長女が言った。
「ずっとここがいーい!」
そこがいいんかい。