ハナビラー
長女(5)と次女(2)の鼻は低い。
つぶれている。
妻は「うーん、何てかわいいお鼻!
どうやって息をしてるのかしら?」
などと褒めているのかけなしているのか分からないことを言う。
妻は、妻の父が鼻が高くて鼻筋が通っていたのでそれに比べると鼻が低くてコンプレックスだったらしいが、子どもたちの鼻はそれと比較にならないくらい、というか、似ても似つかないくらいの鼻なのだ。
ということは、私に似たのだろう。
妻は「ゆーきーというより、ゆーきーのお母さんの鼻に似ている。」と言う。
確かに言われてみればそうかもしれない。
私も子どもの頃、鼻にコンプレックスがあった。
鼻が大きいとからかわれたこともあった。
だから鼻の形が良くなればモテるというか、いろいろうまくいくと思ったこともあったけれど、いろいろうまくいくには、鼻だけでなく、二重にもなる必要があり、身長も高い方がいいし、筋肉も必要だ。
足も長い方がいい。頭ももうちょっといい方がよい。コミュ力も必要。
まあ、要するにキリがないということですが、ちょっと脱線してしまいました。
子どもたちの鼻が私の母、子どもたちの祖母に似ているという話でした。
鼻の話。
ある日、おじさん、母の兄の、家に行く用事がありまして、ふと、おじさんの鼻の見ると、鼻筋が通っていて、高いのですね。母の鼻とは似ていない。
それでおじさんに言いました。
私の子どもたちの鼻は、私の母と似ているので、母の家系の遺伝かと思いましたが、おじさんの鼻は母と似ていませんね、というようなことを。
するとおじさんは言いました。
「ああ、T家の女性は『ハナビラー』だからね。」
ハナビラー!
初めて聞いたけど、おそらく鼻が平べったいということなのだろう。
しかしそうなのか!
体の形は遺伝するけど、女性にだけ遺伝するということもあるのか?!
そしておじさんは仏壇の上に飾ってある、今は亡き私の祖母や、祖母の母の写真を指さした。
うむ、確かに私の祖母や祖母の母(曽祖母)の鼻も低い。
そして写真で見る、亡き祖父の鼻は高い。
すごいぞ、遺伝。