『ヒストリア』(池上永一)を読む
『宝島』(真藤順丈)が面白かったので、『ヒストリア』(池上永一)を買った。この小説も、戦後の沖縄が舞台だ。(と思ったが、早々に舞台がボリビアに移ってしまった。)
この小説も、面白い。私が沖縄に住んでいるので、沖縄加点はあるにしろ。『宝島』と一緒に買った『入れ子の水は月に轢かれ』(オーガニックゆうき)も戦後沖縄が舞台で、読み始めは「面白い!」と思ったものの、読んでてだれてきた。
『入れ子〜』に比べると、『ヒストリア』が小説として相当すごいと感じる。普段小説を読まない私でも分かる。(『ヒストリア』だけ読んだら、「こんなものかなあ。」と思っていたかもしれない。)
『宝島』と『ヒストリア』を比較すると、『ヒストリア』が好きかも、と思うが、『宝島』も悪くない。
ただ、『ヒストリア』を読んで、沖縄方言や沖縄訛りをほとんど使わなくても、沖縄を舞台にした小説が書ける事が分かったので、小説家の皆さんは池上永一を見習って欲しい。
池上永一は沖縄出身らしいが、小説の中の食事のメニューだけでも、沖縄出身か(あるいは沖縄住みか)そうでないかが分かる。(『宝島』は、沖縄方言や沖縄訛りもそうだが、食事のメニューだけでも、首をひねらざるをえなかった。)
沖縄住みとして『宝島』を上から目線で見てしまったが、面白かったです。