知識を身につけたい欲
『1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365』という本が売れたらしい。『おとなのための教養入門』というムックもあるし、池上彰も『おとなの教養』という本を出していふる。『教養入門』という特集は、ビジネス雑誌で定期的に見かける。
41歳の私も、教養を身につけたいと思う。今さら?恐らく、今さらだからだろう。30歳、40歳、50歳になった人間が、人並みに仕事はしてきたけれど、自分の中に何もない、そこで教養を身につけようかと思ったりする。
そこで歴史の本等を読み出しても、早々に挫折する。「教養を身につけたい。」という気持ちと、興味という気持ちは別だからだ。
そもそも、「教養を身につける。」とは何か?人それぞれ持論はあるだろうが、「教養を身につけたい」本人がそれをよく分かっていないのである。
分からないが何とかしないと、欲求不満になる。
私はこの、「教養を身につけたい欲」をなだめる答えにたどり着いた。簡単である。史実に基づいたフィクションの小説、漫画、映画等に触れるのだ。それだけ。
ここでの注意点は、「知識を網羅しよう。」と欲張らないことである。「教養を身につけたい欲」というのは食欲のようなもので、増えたり減ったりする。そもそも「教養」が何なのか分からないし、世界中全ての知識を得ることなど不可能だし、もし万が一、かなり多くの知識を得ることができたとして、自分自身が満足しない可能性がある。
だから、「あー教養身につけてえなー。」と思ったら、「教養入門」や「大人のための世界史」等を読まず、まあ、例えば「風雲児たち」を読むといいでしょう。
そして、教養を身につけたい欲が収まったら、読むのをやめていい。読みたかったら読むし、読みたくなかったらやめる。そんなことしてたら死ぬまで大した教養は得られない。得られないけど、死ぬときに教養は必要ない気がする。