私と妻と長女の3人で、長女の小学校の入学式に行った。
校門での記念撮影の行列を避け、校門をくぐる。
それから校舎へ向かう途中で、妻が「これが桑の葉だよ。」と言った。
私は桑の葉を知らなかった。
「桑の葉」と言われても、桑野信義や桑名正博しか思い浮かばない。
妻は私に教えてくれたのだった。
それから妻は桑の実を取った。
私は桑の実も知らなかった。
そして妻は桑の実を口に入れた。
妻は桑の実をもう一つ取り、長女にも与えた。
私は拒否した。
今思えば、あの時食べておけば良かった。
そうすれば、桑の実を食べる度に、長女の入学式を思い出せたかもしれない。